@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00001209, author = {小島, 俊樹}, journal = {人間文化研究, Studies in Humanities and Cultures}, month = {Jan}, note = {1990年代終わりから学校から仕事への移行が困難化した。これに対して、政府は若者支援策に着手し、キャリア教育によって進路選択能力を高めることで解決しようとした。しかし、2000年代を通じ、若者の移行困難化は改善されなかった。 そのため、2011年中教審答申では従来のキャリア教育が進路選択能力の育成に偏っていると総括し、キャリア教育に職業教育を取り入れるとした。ただし、従来の職業教育をそのまま取り入れるのではなく、「移行後を見通して、身につけさせるべき知識・技能」の育成を目的にする「新しい職業教育」を打ち出した。 また、同答申では専門高校を「技術革新や産業構造の急激な変化」「学校で身につける技術では企業では役に立たない」「就職するより進学する生徒が多い」と批判し、「新しい職業教育」を担う専門高校は、「大学や大企業での人材育成に耐えうる学力を身につける場」として位置づけた。 しかし、「移行後を見通して、身につけさせるべき知識・技能」を具体化することは、その教育内容面での不明確さや教育課程編成上での時間数不足など困難を抱えている。 また、現実に専門高校の生徒にとって、大学や大企業への進路は、学力・経済両面から2割程度の少数者だけが対象となるものに過ぎない。では、今後、「新しい職業教育」によって、大学進学や大企業就職が増えていくのであろうか。 専門高校の生徒の学力・経済力は、従来から高くはなく、むしろ貧困世帯が増えてきており、大学進学はますます困難になって来ている。全国的な調査はないが、名古屋市立高校の調査によっても、そのことが明らかである。 この点から、2011年中教審答申による「新しい職業教育」は、若者支援策に対応するもの ではなく、高校生の移行困難化を改善するものではないと考える。}, pages = {153--171}, title = {2011年中教審答申における職業教育の変容と若者支援策}, volume = {25}, year = {2016} }