@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000131, author = {小川, 仁志}, journal = {人間文化研究}, month = {Jan}, note = {今、我が国では、あらゆる局面で国家の信頼が揺らぎはじめている。現代日本の抱える信頼喪失という病。この点、国民国家の形成期である近代において、その時代の哲学の完成者と称されたヘーゲルは、国家に絶大な信頼を寄せた思想家である。彼はなぜかくも国家を信頼し得たのか。ヘーゲルによる国家への信頼の源泉を探ることで、我が国における問題状況への処方を試みるのが本稿の主題である。ヘーゲルによると、国家への信頼は民意が実質的に国家に反映されること、すなわち「国家と国民の自同性」が確保されることによって生じることになる。そして、そのための制度的工夫として、選挙、議会の公開、世論の反映、言論の自由などが想定されている。特に世論の反映は、現代社会においても実質的な民主主義を図るうえで不可欠のものであり、ヘーゲルの先見の明を認め得る。もっとも、ヘーゲルは愛国心をして信頼と言い換えていることから、国家への信頼の源泉とは、実は偏狭的な国家信奉なのではないかという疑念が生じる。こうした疑念については、ヘーゲルの愛国心を、近時提唱されている「活私開公」という理念を背景にもつ公共心であると解することで払拭し得ると考える。ここにおいてはじめて、公共性に開かれた国家こそが信頼をかちえることができるという論理が明らかになる。}, pages = {1--14}, title = {国家への〈信頼〉の源泉を問う : ヘーゲルの「世論」と「愛国心」の視点から}, volume = {3}, year = {2005} }