@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00001532, author = {Mori, Tetsuhiko and 森, 哲彦}, journal = {人間文化研究}, month = {Jun}, note = {カント『純粋理性批判』は、Ⅰ超越論的原理論とⅡ超越論的方法論に区分される。そのⅠ超越論的原理論には、第一部門 超越論的感性論と第二部門 超越論的論理学で構成され、そのうち超越論的論理学は、第一部 超越論的分析論と第二部 超越論的弁証論に再区分される。前稿(上)が対象とするのは、Ⅰ超越論的原理論に含まれる第一部門 超越論的感性論と第二部門の第一部 超越論的分析論を含む「真理の論理学」(A62,B87,A131,B170)である。本稿(下)が対象とするのは、Ⅰ超越論的原理論に含まれる第二部門の第二部 超越論的弁証論を指す「仮象の論理学」(A131,B170)までである。前稿の超越論的感性論や超越論的分析論では、人間の理論的認識は、現象界、可感界を超出することできない。しかし現象界の外部である可想界は、認識しえないが、思考はされるのである。これを可能にする「理性は、ア・プリオリな認識の原理を与える能力である」(B24)。そのため、可想界、物自体を思考するために、理性が推理する理念(理性概念)が、投企される。それゆえ「超越論的理念は、本来、無制約者にまで拡張されたカテゴリ―に他ならない」(A409,B436)。そしてカントは、理念として、魂、世界、および神を挙げている。これら3つの理念は、伝統的形而上学の主題としての心理学、宇宙論、および神学の対象である。3つの理念の行う弁証論的仮象部門が、誤謬推理(魂)、二律背反(世界)、および理想(神)である。これらのうち最後の理想(神)こそが、カントが問う神の存在証明、神問題である。そして仮象の論理学は、理性推理における超越論的仮象を批判し、同時に伝統的形而上学を批判することを課題としている。なお本稿は、仮象の論理学に含まれる神の存在証明までの解明を目標としているため、残されたⅡ超越論的方法論は、その内容項目を指摘するに留める。本稿は、以上のことについて、読解、解釈する。}, pages = {89--127}, title = {カント純粋理性批判の解釈 (下) : 仮象の論理学}, volume = {26}, year = {2016} }