@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00001891, author = {Mori, Tetsuhiko and 森, 哲彦}, journal = {人間文化研究, Studies in Humanities and Cultures}, month = {Jul}, note = {道徳の形式に依拠し、それに基づいて道徳の意志の自律を主張することによって、シェ―ラ―がいうところの道徳の実質に基づく道徳感情論に陥ることなく、客観的実在性に基づく厳密な倫理学の構築が、カントの人倫の形而上学である。一方、他律の原理、幸福の原理に基づくハチスンの道徳感情論ではなく、「人倫性の最高原理としての意志の自律」に基づく倫理学を、カントは主張する。『実践理性批判』では、これらの道徳感情論の否定の上に、人倫の形而上学の成立をカントは説く。カント批判哲学は、自然の形而上学と人倫の形而上学の結合の上に成立する。この成立を理性の面からみると、理論理性と実践理性の結合が前提される。その結合の前提は、理論理性に対する実践理性の優位に基づくものである。本論では、純粋実践理性の解明を課題とする。その焦点は、純粋実践理性の弁証論である。弁証論では、最高善の問題が取り上げられる。有限な理性的存在者、人間にとって徳だけでは完全でなく、人間に相応する幸福が求められる。この徳と幸福の必然的結合が、最高善である。最高善の可能性を廻って実践理性での徳と幸福の二律背反が生じる。そこで最高善の可能性の解決のために、無限の進行が求められ、魂の不死と神の現存在が要請される。}, pages = {91--107}, title = {カント実践理性批判論考}, volume = {28}, year = {2017} }