@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000220, author = {貴田, 美鈴}, journal = {人間文化研究}, month = {Dec}, note = {本稿の目的は、1990年代から2002年の里親制度改定への過程を社会的要因との関連から分析することである。1990年代前半には、父子家庭、被災家庭、夫からの暴力のある家庭等の養護問題への対応策として、施設と同様に里親も子どもの受け入れ先とされた。しかし、これは既存の社会的資源を対症療法的に活用しようとしたものに過ぎなかった。一方で、少子化への懸念から児童養護体制の変革が必要とされ、里親制度拡充が検討すべき課題として浮上した。しかし、里親委託などの家庭的養護より、施設養護の充実によって子どもの権利を保障することが重要課題であるとの考えが主流であった。ところが1994年の「子どもの権利条約」批准後、厚生省には国内外より条約遵守の圧力が加えられ、里親制度拡充が進められていった。同時に児童虐待の社会問題化により、児童養護施設などの量的不足を補うものとして里親委託が注目を浴びるようになった。こうした経緯で2002年の里親制度改定に至り、1990年代末までは議論もされなかった専門里親が創設され、対象が被虐待児に限定されたのである。また「愛着」が里親制度改定の趣旨に登場したのは、里親制度拡充に転じた政策主体が社会的合意を得るために用いたと考えられる。以上のことから、里親制度拡充は、子どもや里親など当事者主体で進められてきたとは言い難く、社会的要因を背景に政策主体主導で進められてきたといえる。}, pages = {77--89}, title = {2002年の里親制度の改定に影響を及ぼした社会的要因 : 子どもの権利条約批准と児童虐待の社会問題化}, volume = {10}, year = {2008} }