@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000222, author = {楢﨑, 洋一郎}, journal = {人間文化研究}, month = {Dec}, note = {開示消極説の論拠には、以下の問題点がある。第一に、指導要録・調査書が児童生徒の教育を受ける機会につながる文書であるという視点が乏しい。第二に、教員が専門性に基づいて評価の形成・記載を行っているのに、開示を前提とするとそれができなくなるという脆弱さを含んでいる。第三に、教育専門性に基づけば評価行為と指導行為は一体的な営みであるのに、児童生徒の改善点・課題を本人・保護者にフィードバックすることなくありのままに記載することには躊躇がないという矛盾を孕んでいる。したがって、教育委員会の側が不開示を主張する際には、指導要録・調査書の機能や教育評価の性質を踏まえ、その評価を開示しないことが適切な指導や公正な入試を受ける機会の保障につながるという形で論拠を挙げる必要がある。開示積極説の論拠にも、以下の問題点がある。第一に、児童生徒が開示を望んでいることを理由に、開示により児童生徒の心身に影響を与えるおそれが考慮されていない。第二に、評価のような主観的な作用の伴う記載内容についても証拠・資料によってその正確さが証明できると考えており、また客観的な事実の記載や数値による記載もその正確さを説明するのが容易であると考えている。したがって、個人情報保護条例に基づいて指導要録・調査書の記載内容をそのまま児童生徒・保護者に開示するという方法では、教育を受ける機会の保障につながらない可能性があることに留意すべきである。}, pages = {107--123}, title = {開示積極説と開示消極説の論拠について}, volume = {10}, year = {2008} }