@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000272, author = {野田, いおり}, journal = {人間文化研究}, month = {Dec}, note = {本論文は、レアリスム文学を代表する作家、ギュスターヴ・フロベール(Gustave Flaubert)の『ボヴァリー夫人(Madame Bovary)』を取り上げ、読者の視点と登場人物の視線に着目して『ボヴァリー夫人』を再読することにより、主人公エンマの夫、シャルルの役割を考察するものである。フロベールは、読者に迎合するような文学を嫌い、一貫して芸術性の高い作品を求めて制作活動を行ってきた作家である。そのため、読者の評価を中心に据えて執筆するような商業主義的小説家とは明確に区別されてきた。しかし、フロベールの書簡を読むと、『ボヴァリー夫人』がロマン主義のような波瀾万丈の物語ではなく、現実江を直視し、平凡な日常の出来事を題材にした作品であるため、執筆にあたり、どのように読者の興味を喚起するかといった点で、読者を意識していることが分かる。本論文では、読者に対し、より効果的に、より深く、『ボヴァリー夫人』という小説を理解してもらうために、フロベールが読者の視点をどのように誘導しているかについて言及し、読者を小説に引き込むためにフロベールが施した技法を考察する。そして、シャルルが担っている、小説の登場人物たちを結びつけ、読者を小説の中に引き込み、物語の終わりには、読者を現実へと引き戻す誘導係(ナビゲーター)としての重要な役割を見出したいと考えている。}, pages = {239--254}, title = {『ボヴァリー夫人』におけるシャルルの役割についての一考察 : 視点・視線から見出されるシャルルの役割}, volume = {12}, year = {2009} }