@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000292, author = {Tanaka, Takako and 田中, 敬子}, journal = {人間文化研究}, month = {Jun}, note = {中上健次がアメリカ南部作家ウィリアム・フォークナーから影響を受けたことは知られているが、本論では普段あまり比較対象とならない、フォークナーの『八月の光』と中上の『熊野集』から「不死」を取り上げる。両作品は、放浪する主人公と共同体の中で異端の立場にいる怪物的な女の確執、主人公による女性の殺害が共通している。作者たちはそこで、古典的な神話やその土地の伝説のパロディを用いつつ、国家や地方の物語構造を脱構築し、それらの物語が強化する家父長制社会を批判的に超えようとする。ただしフォークナーが、南部の人種差別のみならずアメリカ合衆国全体の二項対立的思考法を越えようとして、あいまいな擬似家族の放浪を新たな可能性として最後に提示するのに対し、中上は日本的な物語の聖と穢れの容易な還流を拒否して、主人公に孤独な放浪を続けさせる。}, pages = {85--96}, title = {「危険な女」と放浪する主人公 : フォークナーの『八月の光』と中上健次の「不死」}, volume = {13}, year = {2010} }