@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000313, author = {Sung, Koomi and 成, 玖美}, journal = {人間文化研究}, month = {Feb}, note = {本稿は、パウロ・フレイレの教育論が現代の生涯学習研究にどのような影響を及ぼし、またどのような争点を孕んでいるのかについて、教育と政治性のあいだの葛藤に着目しながら整理する。フレイレの思想は、第三世界および先進諸国における被抑圧者の教育運動に強い影響を与えてきた。ユネスコの国際成人教育会議は、フレイレの影響を受けつつ第三世界や教育的不利益層の教育問題に強い関心を払っている。本稿では、日本の生涯学習研究における影響を、① 学習場面における教授者と学習者の関係性に関する研究、② 識字教育・日本語教育の理念と方法論に関する研究分野、③ 多文化教育研究分野の3点から検討した。① については、フレイレが指摘した「銀行型教育」と「課題提起教育」の対比、また「参加型学習」への応用がひろく知られているが、思想の深みを理解しないまま安易な導入に陥っている傾向がある。② については、被差別部落や在日コリアン高齢者に対する識字教育実践にフレイレの思想は大きな影響を与えたが、一方でニューカマー外国人への日本語教育実践においては、例外はあるものの、一般には彼らを「被抑圧者」と捉える見方が浸透していない。③ については、フレイレの教育論は「多文化教育」のアプローチの一部に該当するが、「多文化教育」や「多文化主義」概念が拡散し、新自由主義国家戦略に吸収されつつあると指摘されている。「被抑圧者」内部の多様性への視点が不十分であった面も含め、フレイレ教育論の歴史的性格を再吟味する必要がある。}, pages = {213--225}, title = {フレイレ教育論と生涯学習研究 : 教育と政治性のあいだにある争点}, volume = {14}, year = {2011} }