@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000318, author = {安藤, 究 and Ando, Kiwamu}, journal = {人間文化研究}, month = {Jun}, note = {戦後の日本の家族変動には、近代家族化・近代家族の揺らぎという2つの段階があるとされており、近代家族の揺らぎの局面では、近代家族化の過程で成立した孫の親と祖父母の関係、すなわち孫の養育に対する祖父母の非干渉の態度が変化する可能性がある。そのため、本稿では、特に初孫の母親のフルタイム就業と祖父母の親役割代替経験の認識との関連を分析した。分析の結果、初孫の母親のフルタイム就業と祖父母の親役割代替経験の認識との間には、ジェンダーによるパターンの相違があった。性別ごとの単純な関連の検討でも複数の変数をコントロールしたロジスティック回帰分析でも、祖父の親代わり経験の認識に有意な効果を持っていたのは初孫居住地だけであり、初孫の母親の就業は有意な影響を持っていなかった。他方、祖母の親代わり経験の認識には、初孫居住地と初孫の母親の就業状態がともに有意な影響を及ぼしていた。初孫の母親の就業状態をコントロールしても初孫居住地の効果が独立して見られたことは、孫の母親が専業主婦であった場合にも(すなわち、孫の養育の主たる担い手が祖父母以外に確保されている場合にも)、孫の近接居住はさまざまな形で孫の養育に祖父母が関与する機会を増加させ、そうした機会が祖母の親代わり経験の認識をもたらしていると推測させる。祖父では初孫の母親の就業状態の効果が有意ではなく、初孫居住地の効果のみが有意であったので、祖父の親代わり経験の認識は、そうした様々な形での孫の養育への関与における、主に補助的な行為によって生じていると思われる。このような祖父と祖母の親役割代替経験の認識パターンの相違は、一方で近代家族の揺らぎが祖父母ではなく孫の親世代のライフコース・パターンを変化させ、他方で現在の祖父母の多くが成人期・親期を近代家族化の局面で経験してジェンダー化されたライフコースを辿ってきたことの、複合的な結果であると解釈された。}, pages = {17--39}, title = {祖父母の親役割代替経験の認識と家族変動 : 祖父母性と専業主婦化の揺らぎの影響}, volume = {15}, year = {2011} }