@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000073, author = {藤井, 尚子}, journal = {芸術工学への誘い}, month = {Mar}, note = {病衣とは、入院加療中に患者が着用する衣服のことであり、患者にとって一番身近な療養環境ともいえる。しかしその現状は、着用する当事者たる患者が置き去りなっていることも少なくない。その要因の一つとして、従来の病衣は、急性期医療での使用を前提としているためである。しかし、今日では慢性疾患やがんなど、日常的に疾患と向き合う長期医療の患者も増加し(広井2008)、求められる病衣の様態も変わりつつある。執筆者は2009年より、名古屋市立大学付属病院の看護部・化学療法部と連携し学際的研究チームを構成し、現状の病衣の実情調査をふまえ、「脱着容易性」と「生きる力の向上」の2点に重点をおき、デザイン的解決より、療養環境の改善に資する研究を行っており、1)病衣プロトタイプの作成、2)担がん患者を対象とした着用実験、3)患者および看護師の意見を集約する実践的手法により課題解決取り組んでいる。一方、長期療養の実体にある「高齢化」を見過ごすことはできない。1990年代には入院患者全体に占める65歳以上の高齢者患者の割合は5割以上に達するなど、疾病による治療よりも、身体機能が徐々に低下するなかで、いかに生活全体の質(QoL)を高められるかといった課題が求められており、医療と福祉が限りなく連続化し、不可分のものとなっている。以上をふまえ、本研究では、先行研究の成果をもとにし、今後の超高齢社会への応用を目的に、高齢者の身体的機能や自発的社交性を支援し、福祉の向上に資する高齢者衣服の基礎的研究として、福祉国家を標榜するフィンランドにおける高齢者センターの取り組みならびに、居住高齢者とスタッフの「衣服」に対する意識調査を行った。本稿はその調査報告であり、調査より得られた知見を考察するための端緒にあたる。}, pages = {19--35}, title = {福祉を架橋する病衣のデザインについての考察 : ヘルシンキ市立ロイフヴォリ高齢者センターにみる<家>と<衣服>を手がかりに}, volume = {16}, year = {2012} }