@article{oai:ncu.repo.nii.ac.jp:00000088, author = {久田, 健吉}, journal = {人間文化研究}, month = {Jan}, note = {この研究は、ヘーゲル研究にとって画期をなすものと自負する。本論末尾の「諸論攷」でまとめたように、『人倫の体系』は難解な書、挫折の書、シェリング哲学残滓の書とされ、イエナ実在哲学との関連で、そういうものだろう程度の研究しかなされていない。しかし人倫の体系は、挫折どころか、ヘーゲル哲学の根幹をなす研究をなしている。ヘーゲルはこの書物で問題にしたのは、人間による「絶対的人倫の理念の認識」だった。この認識に至る道は概念の絶対認識を通してであって、この認識を通して民族(国家)を自覚し、人間は民族(国家)を形成するとする。そしてこれを可能にするものこそは「直観と概念の相互包摂」である。直観とは人間の主観性、概念とは客観世界。人間は己を貫こうとして、客観世界に己を対置する。しかしこの時、真に己を貫こうとしたら、客観世界に即して己を貫くのでなければならないことを知る。これが「直観による概念の包摂」から「概念による直観の包摂」への逆転であって、こうあることが直観による概念の真の包摂だと人間は自覚する。これが人倫の体系で問題にされたことであった。ヘーゲル哲学は精神の哲学と言われる。この研究の上に立つなら、精神が実現してきた世界理性をわがものとしてこそ真の実存、真の哲学と説いていることがよく分かる。私はヘーゲル研究において、新たな地平を提起したと自負する。}, pages = {61--75}, title = {ヘーゲル『人倫の体系』の研究}, volume = {1}, year = {2003} }